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ーー 10年後 ーー
「ルルを生け贄にって…!一体どうして!?」
「賛成出来ない!」
「教王様の命令だ!大人しく引き渡せ!」
「そんなこと…!出来るかよ!
あの子はまだ10歳の子供だぞ!?それになんで生け贄なんて…!」
「反逆するつもりなら武力的な処置を許可されてる…それでも、反逆するか?」
「っ…!」
『白い髪に碧眼の者が10年前に産まれたのを、我が国の国民の皆様はご存じでしょうが、伝承には『産まれたその年に災いが起こる』そうありましたが…産まれてから10年たった今日まで災いが起きていないので伝承は伝承に過ぎぬと我々は安心していましたが
それは誤解でした、最近までに新たに古文書の解析を進めた結果…『産まれてから10年以内に“神の眠る谷に白い髪に碧眼の者を生け贄に捧げなくては災いが起こる”』と、新たなる記述を発見することができました
そこで今から三日後に…迅速なる少女 ルルの、生け贄の儀式を』
「なんで今更になってそんな…!滅茶苦茶だ…!
長老が亡くなった直後にこんな話…出来すぎだ!でっち上げだ!」
「で、でも…この話が本当なら…?」
「信じるのか!?」
「だ、だって分からないじゃないか!」
ーーー…ああ…どうして…、どうしてこんな
全部…私のせいなんだ…
私さえ…いなくなれば…皆が喧嘩しなくて済む…
私さえ…生け贄になれば…
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