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「誰か!誰かあの二人と“ルル”を見た奴は居ないか!?」
「い、いや…!見てない…!」
「ってことは…まさか…」
「…三人とも…奈落の底へ」
そうだと悟り、その場に居た全員が、悲しみに嘆く。
長老はその場に崩れて。
「嗚呼…なんと…何と言うことじゃ…何と…」
と力なく嘆き続ける、辺りが絶望感に包まれていたその時だった。
「ーーー…ギャア…オギャア」
そう、微かに…何かの泣き声がして、長老はガバッと顔を挙げると、慌てて声がする方…奈落の底を覗き込んだ。
「っ…お、おお…!これは…なんと…!」
そう、長老が叫ぶ、他の人々も同様に奈落の底を覗き込めばそこには…。
偶然崩落の際に崩れなかったと思われる、崖の側面に刺された土台部分の残骸の一部である、1枚の板の上に…赤子が乗っていて、泣き叫んでいた。
白髪に碧眼の瞳をした…赤子が。
「…“ルル”だ!“ルル”が無事だぞ!」
「急げ!救出するぞ!」
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