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失うor失敗
「失恋って、恋を失うのか、恋に失敗する。一体どっちなんだろうね」
そう言ってはにかんで笑う君の隣で、その日の僕は「さあね」としか答えられなかった。単純に分からなかったから。
――でも今なら分かる。
痛いほどに分かるんだ。
君相手に失恋した今も、君を好きだって気持ちがどうしても無くならないから分かるんだ。
……ああ、僕は恋に失敗したのだ、と。
――遺失物届けを提出しようと二度と戻らない君の前で、僕はそう嘆いた。
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