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体育館裏には、井田の他に2人の仲間が待ち構えていた。「逃げずによく来たな」井田が言った。
いえいえ、連れて来られたんですけど。
「おい、そこのメガネ君、ビビってんじゃねえの?」と後ろのリーゼント頭が、にやけて言った。
そして井田が一歩前に出て「取り敢えずは挨拶がわりだ。金を出しな」と袖をまくった。
井田の腕は、僕の足くらいに太かった。柔道か何かやっているのか?体格が半端ないよ。
するともう1人のパーマ男が「早く出せよ!井田さんは気が短いんだよ!」と凄んだ。
「井田さん?」何で敬語なんだ?
後で聞いたんだけど、井田は留年しているらしい。
皆んなより1つ年上だ。
4対1なんて、まるで自殺行為だよ!僕は、ヘビに睨まれたカエルの様に動けなかった。
すると突然、頭の中がぐるぐる回り出した。
「うっ!い、痛い!」僕は頭を抱えて、うずくまってしまった。や、やばい!出て来るな!
「何だお前?仮病使って、許してもらおうってのか?いい根性じゃねえか」そう叫んで、毛なし男は
僕の顔めがけて、拳を振り下ろして来たのだ。
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