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相変わらずうちのクラスは忙しいまま
颯太は接客係に連れていかれてそれ目当ての客で余計大変な事に。
メニューの半分はとっくに売り切れて残りもあとちょっと
「・・あとこれ?これ売り切れば出なくて良い?」
固まる笑顔は板についてきたけど、調理の方まとめてきた俺にぼそっと呟いた。
「まあ・・売り切ったら自然に閉店か?」
開けてたとしてもドリンクぐらいだったら別にそんな混まないだろうし、
それにしてもかなり予定より多めに用意した筈なんだけどな。あいつのメニューと颯太の接客でほんと売り切りそうとは。
「だってよ、残したくないじゃん。遥奈・・頑張って考えていたのに。」
そう、視線の先にあるのは調理室から俺が運んできたもの
あいつが・・何が良いか考えたり、皆からリクエストのあったものを実際に作って手間や原価まで考えていた。
家でやってたきていたから、颯太は見ていた筈。
昼過ぎたら自ずと客は減って来るからあともう少しが勝負だな
「まあ、もうそろそろ休憩だろ?それまでに売り切っちゃえよ。」
あいつにやってもらったたすき掛けを取る
「抜けんの?」
「あっちの仕事。」
委員の方だと分かると、颯太の顔が一瞬曇る
それに気がつかないフリして教室を出た
ほんとあれだな
最近またよく思うけど・・颯太のがあいつに惚れてんだろうな
「いっこちょーだい。」
「わっ、橘先輩っ。ありがとうございます。」
中庭で屋台出してるたこ焼きをあちちと急ぎ足で向かって
一般生徒は立ち入り禁止の会議室のドアを開ける。
あいつが紙を広げて電卓を叩いていた
「ほら、休憩ー。」
たこ焼きを掲げると
「・・あれ?もうそんな時間?」
座ってる机の前の椅子を逆向きにしてアンケート集計を見る
「・・すげえじゃん。」
「ねっ、うちのクラス今のとこ1位だよー。」
そう嬉しそうに言う顔は、ほんと良い顔してる。
冷める、とたこ焼き渡すとありがとうと素直に受け取る。
「美味しい。」
「そりゃあ良かった。」
あいつの前にあった書類をこっちに引き寄せて、たこ焼き寄せると今日初めてのご飯・・って頑張り過ぎ。
「橘くんもちゃんと休憩取ってないんじゃない?ずっと何かしてる。」
「そう?俺は適当にー・・」
アンケート用紙に目を通す視界にいきなり丸いものが飛び込んでくる
「どうぞ。」
・・・串にささったたこ焼き。
俺の目の前に、あいつが掲げて来た
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