俺の気持ち

22/23
前へ
/220ページ
次へ
パタン ドアの閉まる音 足音が遠ざかって 「・・・馬鹿だろ・・。」 ようやく、頭を抱えて机にうずくまった 長い溜息 頭を抱えると、額に鈍い痛み ・・どんだけ勢いよくぶつかったんだよ。 俺も慌てて咥えようとしたしな 苦笑が滲み出て、 「・・・、」 上がっていた口角を固く結ぶ。 確かに 微かにだけど 触れた。 キスなんて そんなの 慣れっこな筈なのに いや、キスなんても言えない 色気もなくただぶつかっただけ そんなのなのに 両手で顔を覆って、 「・・ほんと笑える・・・。」 どうして こんなに・・・ 胸が痛い ────── 書類を書き直しても、なんとなく教室に戻る気になれなかった 窓から外をずっと見ていた 終りの時間が近づくにつれて、名残惜しそうに帰っていく人達や寄り添う奴等を見て、・・一人で俺は何やってんのかなと思いながら。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

252人が本棚に入れています
本棚に追加