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パタン
ドアの閉まる音
足音が遠ざかって
「・・・馬鹿だろ・・。」
ようやく、頭を抱えて机にうずくまった
長い溜息
頭を抱えると、額に鈍い痛み
・・どんだけ勢いよくぶつかったんだよ。
俺も慌てて咥えようとしたしな
苦笑が滲み出て、
「・・・、」
上がっていた口角を固く結ぶ。
確かに
微かにだけど
触れた。
キスなんて
そんなの
慣れっこな筈なのに
いや、キスなんても言えない
色気もなくただぶつかっただけ
そんなのなのに
両手で顔を覆って、
「・・ほんと笑える・・・。」
どうして
こんなに・・・
胸が痛い
──────
書類を書き直しても、なんとなく教室に戻る気になれなかった
窓から外をずっと見ていた
終りの時間が近づくにつれて、名残惜しそうに帰っていく人達や寄り添う奴等を見て、・・一人で俺は何やってんのかなと思いながら。
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