俺の気持ち

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「・・橘くん、ありがとう・・」 あいつが恐る恐る戻って来たのは、ほんと颯太とアンケート回収しかしていないんじゃね?って位の時間で。 「もっとゆっくりしてくれば良いのに。」 そう言って、手前で用紙を受け取って少し離れて座る。 離れたい、だろ さっきの泣きそうな顔。 気を利かせたつもりだった 「・・あの、」 あいつに声をかけられると同時に 「どうよー?投票?」 続々と委員が集まって来たからそっち見て集計を出す 「何でだよー、裏工作したのかっ、」 「する必要ねえよ。」 ほぼそのままうちのクラスが一位決定。 少しだけテンション上げた顔して、笑ってガッツポーズをする 「・・まあ、颯太の奴ずっとクラスの売り子してたしな。」 ちょっと言われる嫌味に、 「まあ、颯太はさすがだけどなー・・それだけじゃないみたいだし。」 あとで渡そうと思ってた回収した用紙の一部を、皆とあいつの居る方に並べた。 「随分と好評だったみたいよ?うちのジャージ姫。」 自分で見てないの? 俺の言葉にあいつは用紙を掴んであれこれ見てる 『カレーが超絶美味かった。』 『すごい美味しい。お代わり買っちゃった。』 『クラスの飾りが一番良い。看板キレイ』 『腕章つけた人が子供に優しくしてくれました。ありがとうございました。』 アンケート用紙の一番下、メッセージフリー欄に並んだあいつが係わったものが沢山。 実際、一番いろいろと動いていたと思えるし 委員長と合わせても大変だったんじゃない? 「良かったなー委員長、報われ・・」 こんだけの苦労も報われるね、そんな感じで 茶化して気まずさを消そうともしてたんだけど・・ 目の前のあいつは、用紙で顔を覆ってて 小刻みに震えてるのを堪えてる 「あーらら。」 他の委員も笑っちゃうよね 「まあ、実際よくやってくれてたし。」 ほら、こんな事言ってくれちゃってるよ 「始めは誰が来たかと思ったけど・・」 確かにな。 大笑いされる輪の真ん中にいるあいつが 用紙の下から俺だけに泣きそうな顔を見せてくる ほら、またそんな風に 涙でいっぱいな眼で恥ずかしそうにしてるのをさ 覗かせるなよ。 「良かったねー。」 俺はそう笑う事しか出来ない 本当は抱きしめてしまいたいのに。
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