ほんと面倒くさい女

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・・そう 忘れそうになって思い出す。 こいつは学校一モテる颯太の彼女 もしかしたらこれも計算なのかもしれない 俺に男慣れしていないと思わせたいのかもしれない 日常の態度からして俺が自分を嫌っているのは解る筈。 ポイントアップ? ・・いや、それならとっくに学校でだってあんな仏教面じゃないか? よく解らない でも、こいつはあの颯太が、バスケを辞めようかと口を滑らせる事の出来る女 たちまち頭の中が疑問で埋まる 颯太に何と言ったのだろう 颯太という彼氏を捕まえとく実は計算高い女なのか それともバスケをしている颯太には全く興味もないとか どっちにしろ最悪だ そんな事を考えていたら駅に着く 時間切れか 万が一にも颯太が本気で進路を変えてしまったら、もう遅いのに。 「どうもありがとう。」 あからさまにホッとしてんなよ 「今日の・・あれ良いの?家の飯じゃねえの?」 「・・大丈夫。颯太くんにあげようとしてただけだから。」 余計まずいんじゃねえの、 ・・そして初めてかも。こいつの口から颯太の名前聞くの。 「平気、まだ伝えてなかったから・・勝手に作ってただけなの。 良かったら・・橘くんも食べてみて。あれ颯太くん大好きなの。」 変。 学校で颯太の事無視している女がこんな・・笑顔でそんな事言うの。 颯太の事を嬉しそうに語るの、 こんなの普通に彼女みたい。 何か計算で動く感じには見えないんだけど 計算だったら学校でもう少しうまく立ち回る気がする あんな能面つけてるみたいにしないで 普通に・・ どうしてだ? ・・・って違う方向に自分の考えがずれているのに気がつく。 この女がどうのなんて そんなのどうでもいい。 俺が知りたいのは、 こいつが何を言ってパスケを辞めさせようとしたのかだろ そしてそれを阻止しないと。
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