泣かせた俺と颯太

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もうめんどくせ 家に戻ると 「おにいちゃん、おかえりーっ。」 元気な結衣の声 母親も帰ってきてて皆で飯食ってるし、 「おねーちゃんのハンバーグおいしかった~。」 げ、全部食いやがった。 「チーズいっぱーい、またあれ食べたい~っ。」 何の生殺し的な。 テーブルに並んでいるデパ地下系の総菜より美味そうな匂いは絶対それだよな? 入ってた入れ物にそのまま飯を入れる 「・・うまっ。」 何これ、ソースだけでめっちゃ美味い。 颯太いつもこんなん作ってもらってんの? 「良いなー・・」 空になった容器を持ったまま呟いて 変な事言った自分に口角が上がる だから俺も腹減ってんだってばよ。 「何だ彰良、新しい彼女が出来たのか?手作りだよな?」 「・・颯太の彼女だよ、」 「さすが颯太くん、良い彼女だなあ。」 さすがって何だよ だから今日はもうその話は良いよ・・ いや、良いんじゃねえって。 親に今日の結衣の事を伝えて絶対次はない様に話をした。 実際あいつじゃなかったらどうなっていたか解らなかったと言うのに 「さすが颯太くん、良い彼女だよなあ。」 彼女の行動に再度繰り返される親父からの言葉に、 もう怒る気すら失せたわ。 はいはいと部屋に戻る 良い彼女、ねえ・・ 『──彼女のどこが良いの?』 ついこないだ颯太に言った自分の言葉が頭をぐるぐると回っていた
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