面白い女

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「・・どうだった?」 授業が終わると その女子が彼女のカバンをまとめ始めたから、声をかけてもてんで無視。 「なあってば、早退すんの?」 その声に颯太が横に来る。女子は颯太の顔を見て、俺を見た。 「顔面骨折。」 えっ!? 血の気が引くっていうのを初めて感じ・・ 「な訳ないでしょう。」 言葉が出ずに固まる俺を見下ろしたまま、畳みかける様に言われる 「・・ただの鼻血だけど、制服が汚れたし着替えもないしで帰るって。元気だから気にしないでって伝えて下さいと何だかよく解らないけど、とりあえず伝えたから。」 「・・・本当?」 けっこうな勢いでぶつかっちまったけど。 本当です、とカバン持ってかれちゃった。 鼻血って、結局止まったのか? 他は大丈夫だったのか・・ 「少し聞いたけど、どうしたんだよ。」 颯太の言葉に我に返る そうなんだよ、と事の一抹を話した。 体当たりしたのは別に事実だから 「お前のタックルくらったら誰でも吹っ飛ぶし。気をつけろよ、」 笑う颯太、・・・これは怒る案件じゃねえのか? こないだの胸ぐら掴まれた感覚は早々忘れられるもんじゃない。あの時の颯太はやばかった。 「・・顧問には大学云々は忘れて下さいってちゃんと言いに行っただけだよ。 散々心配かけて悪かったな。」 「心配ー・・はしてねえけど、」 そうか、とりあえず颯太もただの一時の気の迷い、なら良かった。 ・・と、なると俺は早とちりと言うかそういうので彼女に怪我させたっぽい? 吹っ飛ぶの、軽かったし。 ましてあんな笑い者に・・ 「・・・だから、」 「え?」 「あいつは大丈夫だから。俺、夜見てくるから。」 「・・・そうか、悪かったな彼氏さん。」 チャイムが鳴って颯太は手をあげて席へと戻る。 なんか心臓が早い 颯太に、考えてた事をずばり言われた気がした 俺、今また家に様子見に行こうかと考えてた・・? いや、だからそれは俺のせいで怪我させたから。 だからだ。 颯太が見に行くのが自然だ、ほんと。
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