面白い女

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「うん、そうだね・・」 ああ、適当に流してる。 その曖昧に作った顔が引きつって見えて、 何か・・ 何だか、イラッとした 「むかつく顔してんな。」 「え?」 「あんたのさ、そう適当にあしらってる顔すげえブス。」 俺は 元々思った事は口にする方で、 それを聞いたらどう思うとか、別に深く考えてもいないけど 言いたかった ただそれだけ。 「あー、彰良っ、ここに居たのかよ。」 お、颯太王子様のお出ましだ。 「遥奈?」 あーまた王子様怒らせる様な事言ったかな? 今度こそ告げ口されるわ。私の事ブスって言ったーって。 「颯太くん、プリントあったの?」 ・・だから、こいつはどうして言わないのかね? にっこりと気持ち悪い位に笑って、さっきの顔なんて微塵も見せずに、 颯太と言葉を交わして帰っていきやがった。 「・・何していたんだよ。」 「バスケだよ。」 見りゃあ解るだろ。 「遥奈と?」 ・・何こいつ、今度はお怒りモードな訳? 「公園の場所教えてきたんだよ。俺は家の前に居ただけ。」 鼻血出した時は怒らねえくせに。 颯太の怒りスイッチがてんで不明。 「・・何で彰良が怒ってんだよ、」 あ? 怒っている?俺が? 「それはー・・」 あの女が、・・・何だっていうんだ 元はと言えば、部活を見に来ない位の会話で。 それで何に俺は怒っているんだ、 別にどうでも良いじゃねえか、 良いじゃねえか、だけど、 何かむかつく。 「お前がいけねえんだよ。」 「そんな事言うと姉ちゃんが持ってけってアイス・・」 「お姉さまさすがだよな~、さすが一ノ瀬くんのお姉さま。」 まあいいや。 あいつが部活観に来ないのも、颯太が観に来た女に囲まれるのも別に俺には関係ねえし。
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