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「・・で?」
「え?」
授業中、また真っ直ぐに前を向いている彼女に声をかけてみる。
前を向いたまま、返事だけ返すってところがなんか憎らしいよね
「学校のキャラは何?寡黙な彼女演じてんの?」
「・・・、」
無視かよ
けっこー強い?いやかなり、だよな。
颯太の友達の俺、だから文句言えないとかそんなの全然だ。
俺本人に向かってこんな態度取るのもそうそう居ない。
本気になれば翠とだってやり合えそうだろうに、・・颯太大好きビーム出しているのをこいつどんな気持ちで見てるんだろうか。
「颯太、先生に大学変えないって言ったらしいよ。」
「・・うん。」
知ってるか、そりゃ
「・・・、」
目の前の彼女は、何もないかの様に授業を受けたまま。
話してかけているのに何も気にしてないよね
こっち見やがれ
「・・・もう鼻はへーき?」
「鼻・・?」
あ、こっち見た。
指で俺の鼻を指すと、ぶつかった所だと理解して頷いた。
「平気・・」
「ほんと?少し潰れたんじゃねえの?」
指先で鼻をつぶす。
小学生みたいな俺のやったことに
彼女が吹き出す様に笑って
慌てて口を押さえた。
それだけで俺は
どうしてか、その顔につられて笑う
まるでシュートが決まったみたいな
なんか「よっしゃ」な気持ちになった。
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