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「あの・・こないだは・・見苦しい所をお見せして・・」
ん?部屋に入ると言いづらそうな、しどろもどろな言葉が。
見苦しい?
下手くそなゴール?睨む顔?ああ、あのブス顔な顔?はたまた鼻血?
いっぱいあってどれだろう
「違うっ、颯太くんとの・・っ」
真っ赤になって怒るなよ。はいはい解っているよ
「あの大嫌いっての颯太落ち込んでたぜー。」
「・・うん。落ち込ませた。」
はは、真っ赤な顔して。
言いにくいのか、やっぱ学校じゃ言わないんだこういう事。
まあ別に俺としては楽しくて仕方なかったから全然良いんだけど、むしろこいつに対する感覚がまるきり変わって・・そうだ、
「俺もー・・颯太の大学の話、勘違いしていた。んで完全に八つ当たりだったから・・悪かったよ。」
一連の始まりは俺の暴走だったんだよな
一応引っかかっていたものだから謝った、なのに
「橘くんが・・・謝った。」
「何だよ、それ。」
失礼だな。人を何だと思っているんだ。
「・・俺様?」
「ああ!?」
言うよな、こいつも。
俺の顔に口開けて笑って、なんか元気だな。
そうだっけ、洋服だっけと勝手知ったる感じで颯太のクローゼット開けて
「し、下着も・・?」
「Tシャツだけで良いよっ、」
「そうだよね、えーとどれが良い・・?」
「どれだって良ーよっ。」
漫才かよ、笑えるな
その中の一枚が目に留まって引っ張り出した。
「それにする?」
「・・いや、これは颯太のゲン担ぎだ。勝たなきゃいけない日は必ずこれ着てるよ颯太。」
「そうなの?」
出したら畳んだのが崩れたから彼女にあげる。その近くの適当なの取ろうとしたら
これは良いの?って
「着ないよ。そんな大事なもの。」
何か颯太の中にあるんだろ、
「・・・。」
「・・何だよ。」
ううん、と畳む彼女にひらめいた。
やっぱり、彼女のプレゼントだってよ。そういう事、
戻す時に彼女の顔がまた嬉しそうで・・・
そうか、『颯太の彼女』は多分奥深くにあるんだろう
人前では一番出さない顔
・・こんな風に嬉しそうな顔を浮かべてもらえる。
なら『彼女』という存在も悪くないかも
初めて、そんな事を思った
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