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「何作ってんの?」
時計をチラと見ながら作る後ろ姿に聞いてみた
というか腹減った
「ハンバーグ。」
だ円の捏ねた物を手のひらに乗せて振り返る顔に眼を見開く。
「橘くん、この前食べたかったって言ってくれたでしょう?」
笑う顔に、瞬きをする。
あんな、揉めた時に話していたのを覚えていたのか?
それじゃなくても俺の言葉?
どこまでお人よし??
・・馬鹿じゃねえの?
いや、本当に食べて見たかったけど
でも、いやだから
きっと俺は腹減っているからだ。
嬉しい、と思う俺が居るんだけど───
「手伝う。」
立ち上がる、頭振って沸いてくる言葉を追い出す。
落ち着かない。
あいつ等遅い、何やっているんだ。
「・・あれ、結構上手・・?」
ブロッコリー茹でたいとの言葉に切っている俺を彼女が覗く。
「あー時々やる。この前みたいな結衣と俺しか居ない時とか弁当とか。」
前は小さな結衣を待たせながらだから慌てていたけれど
今となっては適当にやる加減が解ってそこそこ慣れた。
「凄いね。お弁当も作ってあげるんだ。」
「たまにな。でもタコとかイカとか?足がちょん切れると泣くんだよね。」
あはは、と笑う彼女はフライパンにハンバーグを並べると待ってねと冷蔵庫から・・ウインナーを取り出した。
「ここをこうして・・・」
耐熱容器にブロッコリー入れてレンジに入れると、手早くウインナーに包丁を入れる
その手つきは結衣の母親より慣れてる感じで俺も一緒になって覗く
「何だこれ!?すっげえっ。」
フライパンで熱を通されたウインナーはくるくるといろんな形が浮かんで思わず声をあげた
でしょ♪と何だそのドヤ顔は。
得意気になっている顔が小憎たらしいな
「あとで切り方教えるね。これで結衣ちゃんも見直してくれるよ。」
「見直す・・ってハッキリ言うねえ。」
堪えきれずに笑っちゃう
やっぱり変な奴
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