《颯太目線》

2/13
前へ
/220ページ
次へ
───「日高さんのどこが良いの?」 彰良から定期的に聞かされる台詞にまた来た、と思わず笑みが出る 「お前最近そればっかりだな。」 俺のいつもの回答に溜息をつく彰良は、いつもの通り納得してなさそう ついさっき、彰良の彼女だという女子が別れると出て行ったけれど 彰良からしたら彼女ではないんだろう。 うまかった・・なんてそんな形容をする彰良の気持ちは俺には解らない。 でも彰良は少なくとも自分から誘ったりまして無理矢理そういう事をしていないと言うのは知っているから、お互い合意の上なら俺からは何も言える事はない。 「解らなくて良いんだよ、彰良が彼女を好きになったら困る・・」 「悪いがそれは無い。」 うん、無いだろ。 俺自身もそう思いながらいつもの返しをして 彰良もいつもの会話で〆る。 ・・カッコイイ奴なのになあ。 何か考え事をしている風にぼんやりと空を見上げている彰良。 俺が毎日カルシウム取っても抜かす事の出来ない身長 長い手足はバスケをやるのに羨ましい限りだ。 髪が茶髪で顧問や担任の先生に怒られたりしても飄々としてる、女子が騒ぐのも無理はない。 何よりいつも率直で正直で、 彰良は良い奴だ。無理に自分を飾ったり繕ったりしない。     
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加