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「で?顧問と何話してたんだよ。キャプテン、」
来た、
「あの大学、辞めるかも・・」
まだ自分の中で全くまとまっていない内に喉がカラカラになって勝手に口から出てきてしまった。
「まだ誰にも話してない・・他の道はどうなんだろうって先生に相談・・」
「はあっ?バスケ辞める気かお前?」
一瞬で彰良が詰め寄って来た。
怒りと驚きを隠さない彰良の表情に・・・安堵している自分が居る。
最低だ。
彰良にそんな顔をさせて、何を自分は喜んでいる
でも、それで自分の気持ちが再確認出来た。
自分はまだ、バスケを続けたい
片方で胸のつかえが取れる一方で、
ざわつくもう一つの気持ち・・・
「・・日高さん?」
正に心の中で考えていた存在が彰良の口から出て、動揺を隠せなかった。
ヤバイ。そんな気持ちも彰良には悟られてしまう
慌てて否定し屋上を出て教室へと戻った。
教室に入る時、
遥奈の姿を確認した
サラサラの長い髪、机から教科書を出して次の授業に備えている横顔。
何かを察した様に顔を上げてこっちを見そうになるから、
慌てて目を逸らして席へと戻る。
授業中、彰良に悟られてしまった事や
遥奈の事で授業が頭に入って来なかった。
・・まあ予習はしてあるから、いつどこで指されても問題はないんだけど。
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