《颯太目線》

5/13
前へ
/220ページ
次へ
俺と、 幼馴染の日高遥奈は、幼稚園時に遥奈の家が引っ越してきたところが始まる。 その時代は近所に子供が少なくて、男も女も関係なく皆で遊んでいた。 遥奈は人見知りと言うのもあって中々皆に打ち解けられなかった、 家が一番近かったのも、引っ越しの挨拶で大人の皆によろしくねと言われていたのも手伝って 俺はよく遥奈の手を引っ張って遊びに行ったのを覚えている。 心細そうにしていた遥奈が・・ 次第に俺の手を握り返して、俺に笑ってくれて、俺についてきてくれる。 「俺が守らなきゃ」 「俺がついていなくちゃ」 幼いながらヒーローにでもなった気持ちで居たんだ。 小学生で俺がバスケを始めて うまく出来ない俺を遥奈がずっと応援してくれていた。 シュートを決めれば遥奈が喜んでくれた。強くなれば遥奈が笑ってくれた。 だから頑張れた 二人で一緒に居る時は、俺のバスケを見る時間に変わった。 明後日に飛んで行ったボールを遥奈は追いかけてくれて、観たいテレビは俺が途中で必ず寝落ちした。 付き合い始めたのは自然にで 毎日一緒に居るのが当たり前だった。いつしか・・男と女でただ一緒に居るのが『おかしい』事だと周りから言われる様になっても 俺は構わないと思っていた。 でも、遥奈が俺の事を好きだという女子に嫌がらせされていたのを知って・・距離を置いた方が良い事を覚えた。 学校での時間なんてどうって事ない。 帰れば一緒に居るのだから・・・ ただ 好きだったバスケにはどんどんのめり込み 学校に居る時間も多くなって、 逆に遥奈と一緒に居られる時間はどんどん減っていく。 それでも遥奈は笑って大丈夫と言ってくれていた。 高校で、あまりにも彼女が居ないならと言われ過ぎて、遥奈が彼女だと言ってしまったら・・それだけでまた何か言い出す周り。 また遥奈が何か嫌がらせされたら・・・そう思った俺はそのままの距離を保った。 地元の高校がバスケ強豪校だから一緒に進めたけれど 俺はバスケ推薦で大学へ。 遥奈は調理系の専門学校へ。 初めて道が別れる、・・バスケを続けている限り、バスケが1番の生活からは絶対に変えられない。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加