《颯太目線》

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一番前の席か。 席替えで引いたくじは窓側よりの一番前。 いろんな人から指を指される廊下側じゃなくて助かった・・ 座りながら、遥奈の席を確認すると まさに彰良が近寄ってるところで。 隣かなんて思っていたら、遥奈が顔を引きつらせているのを思い切り見てしまって思わず笑いがこみ上げる。 おかしい、あんな顔中々見せない。 ・・昨日、喧嘩の仲直りをしながら彰良とのいきさつを聞いた。 実際は彰良も言う通りのハンバーグのやり取りだったし、俺に言いたくなかったのも頷けはする。確かに俺に彰良と一緒だと言われても・・、だよな。彰良のよく言うメンドクサイだ。 納得は出来る 出来るんだけどー・・・ あの時の違和感。 溜息と共に、自分の心の狭さが嫌になる。 遥奈が彰良と少しだけでも打ち解けてくれたら─── それを願っていたのは自分なのに。 「したあっ!?」 彰良が大きな声でわめいている 何か遥奈と話している ただ隣の席だから、だろ。 それで全くの無視はおかしいだろうしな、 ・・・今まではそうだったけれど。 昨日の事があったからだろ そしてそれを引き起こしたのは俺自身だろ とりあえず、心配をかけたもう一人。 バスケの顧問に大学の話はナシでと言いに行った。 当たり前だ、と全く本気にしくれていなかったみたいだけど 「お前みたいなのが辞められる訳がない。」 だって ・・教室に戻りながらさすが大人、と思えば良いか? いろいろ煮詰まっていたんだろうと逆に俺のヤワな部分を見れたと喜ばれる始末だし。 まあ、これでひと安心・・ 何だ、 教室がざわついている。
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