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「颯太ー、俺先に行ってっからな、姉ちゃん居るんだろ?」
男子バスケ部のキャプテンの俺と、女子バスケ部のキャプテンの大河内は顧問に呼ばれている。
からなんだけど
「彰・・、」
「あ?」
声をかけようとして、止まる。家には遥奈がもう居る
「・・・いや、解った。」
そこまで思って俺嫌な奴だな、と送り出す。
まあ姉ちゃんも居るし二人きりではないし
やっぱり仲良くしてくれればそれに越した事ないしと
そんなグレーでおさめようとしていた気持ちは家に着くまでで。
玄関を開けると
「何だこれ!?すっげえ。」
彰良のはしゃぐ声が飛び込んでくる
・・・仲良くなってくれたら嬉しい、とかなんて。
いつどこの自分が言ってたんだっけか?
「大河内、上がって。」
出て来た姉ちゃんに大河内をまかせて早足でキッチンへと入る
フライパンを手にしてる遥奈の後ろ姿
すぐ隣でそれを覗き込んでいる、何か話した彰良が・・笑った
───彰良、お前自覚している?
少なくとも俺は、
女子と話をするお前が、今までそんな風に楽しそうに笑うところも
はしゃいだ後に・・優しい眼で見る顔も
見た事がないんだよ
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