何をそんなに

4/43
前へ
/220ページ
次へ
けっこー解ってくれてるとは思うけど お世辞は言わない、俺。 「美味しい。」 思わず翠も呟く程、彼女のハンバーグは美味かった 「・・・ありがとう。」 彼女も素直に嬉しそう。 翠ももどかしそうにだけど、颯太が目の前に居るしでかいつもの攻撃的な感じじゃない。 これが結衣の言ってたチーズいっぱーい、か。 みょーんと伸びるチーズを箸で伸ばしていると「子供か。」颯太のツッコミと隣で笑ってる彼女。 姉ちゃんにまで可愛いじゃないのって、何だよもう。素直だって言って。 ・・目の前で、お代わりの茶碗を出す颯太に受け取る彼女。 いやだからさ。 俺の横で翠が目丸くしているよ、・・・翠からしたら颯太と彼女が揃っている並びですら今日が初めて見るものだろう。 颯太がなんか違うんだ さっきの、あーんもそうだけど 何?家だから彼氏モードなのか?これがいつもの颯太? 「ほれ翠、さっきの言ってやれよ。気持ち悪いって。」 「ばっ・・馬鹿っ、」 いやあ。俺は見たそのまんま口にしただけど。 ずりーな、翠が乗っかってくれねえし 「と言うか、お前があれこれ世話焼いてくれる彼女が居ないだけだろ。」 ああ、そうとも言うな。 「彰良もそんな彼女、欲しいんじゃないのー?」 姉ちゃんにそう言われて・・少し考える。 「・・・ないな。めんどくさい。」 「出た、めんどくさい。」 「身の周りなんて自分で好きな時にするから良い。あれこれ言われるのはウザイ。」 絡んでくる女でも時々弁当とか貰う事がある。 飯の用意しなくていいのはラッキーだけど、食べ終わった後にどうだった?美味しかった?とか作ってあげたから一緒に食べて、とか。 そんな期待される位なら適当に買ってくるから良いし。 「・・・へんくつ。」 ぼそっと聞こえた声の主を見るけど、 聞こえちゃったみたいな顔をしてんじゃねえよ。 「・・・聞こえちゃった、」 「丸聞こえだよ。さっきもそれやったろ。」 ううん、て すっとぼけた顔しやがって。 ほんと良い性格してる ・・・ってさっきも俺思ったな。そういや。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加