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「私、颯太が好きなんだけど。」
どれだけはっきり言うんだって、
きっぱりとした翠の声が部屋に響く。
「・・・うん、知ってる。」
「嫌じゃないの?」
「・・別に・・・。」
・・翠の声より全然静かに、だけど。
しっかり返している彼女の声
「じゃあ、頂戴。」
お前、怖えし。
どうしよう、寝たフリから起きた方が良いか?
このまま翠のペースになったりしても面倒だし、
身体を起こそうと息を吸い込むと
「・・・げません。」
ん?
擦れて良く聞こえな・・
それは翠もみたいで、強い口調で聞き返している。
「───私も颯太くんが好きだから、あげません。」
多分、翠の正面で
真っ直ぐに見据えて言ったんだろう。
証拠に翠からの反論がない
起き上がらせようとしていた身体をまたベッドに沈めて
笑いそうになるのを我慢出来なくて、ニヤけちゃうよね
いいねえ
さっすが。
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