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「いっ、あっー!」
感じたことがない圧迫感と異物感で顔が苦痛に歪み、涙が溢れた。痛くてうまく呼吸が出来ない。
痛い……何でこんなことになってるんだ……不運のせいか……?
するとびくびく体を震わせ涙を流す俺の頬を、比嘉くんが撫でた。
「っ……はぁ……佐倉さん……ゆっくり呼吸して……」
「んぅ……ぅっ……む……り……」
震えながら泣く事しか出来ない俺の唇を彼は親指でなぞり、口を開かせた。そこから体内に何とか空気が取り込めた。ゆっくり呼吸すると、彼は俺の体をふわりと抱き締め何度も俺の頭を撫でた。
「佐倉さ……はぁ……佐倉さんっ……」
何故だろう。こんな風に襲われて犯されているのに、さっきはあんなに恐かった瞳が切なげに細められて。俺を呼ぶ声が、撫でる手付きが、愛しげで優しく思える。心地良いとも感じてしまう。俺は、おかしいだろうか。
酒も回り、疲れきった俺は痛み等に耐えられなかったらしい。いつの間にか意識を手放し、気絶に近い状態で深い眠りに落ちてしまっていた。
─ ─ ─ ────
気だるい体がふかふかの布団に包まれて、とても気持ちが良い。もぞもぞ動くと窓からの日差しと暖かさを感じて、目をうっすら開けた。
「んぅ……っ……いっ……!」
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