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俺、佐倉叶一は昔から運がない。
会社で年下の気になる子をご飯に誘おうか迷っていたら、違う部署の先輩と付き合ってることを人伝に聞き、誘う前に失恋したり。それがわりとショックだったのか、ミスを連発して上司に怒られ。
自分を慰めようと、仕事終わりにお気に入りのカフェのケーキを食べて帰ろうとすると、一足遅くて店がもう閉まっていて。
「マジか……」
とぼとぼと疲れきってマンションに帰ると、ちょうど横殴りの雨が降ってきた。朝、ベランダに干していた洗濯物がずぶ濡れでアウト。
「もう疲れた……」
だが、不幸はこれで終わらなかった。
ずぶ濡れの洗濯物を急いで取り込む体力もなく、ダルそうにベランダに出て順番に服を取り込んだ。最後の下着を掴み、部屋に戻ろうとしたその時……
「のわっ!?」
床が滑り、尻餅を付いて洗濯物をぶちまけてしまった。深く溜め息を吐きながら1つずつ洗濯物を拾いあげると、あることに気付く。
「あれ、下着……」
さっきまで持っていた下着がない。何度床を見回しても、下着は見付からなかった。
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