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「ほ、ホラー映画か」
はっきり言ってホラーは超苦手だ。しかも真っ暗な場所で大音量とか、俺には心臓に悪そうだ。
でも、こうやって誘われたのは初めてだよな。これを機に、償いの関係じゃなくて比嘉くんと友人になれないかな。
すると俺の好みを理解している比嘉くんの追い討ちが。
「映画館の近くに美味しいって有名なスイーツの店いっぱいあるんですよ。男二人で入りずらそうならテイクアウトも出来る所あるらしいし、どうですか?」
「スイーツ! 行きたい!」
結局後々の事も考えず、スイーツに釣られてOKしてしまった。
─ ─ ─ ────
映画の日、当日。二人で映画館に行ったのは夕方だった。何故かと言うと、比嘉くんの提案でお互い仕事が終わって着替えてから映画に行こうとなったからだ。
明日はお互い仕事が休みでお世話の日も重なるので、比嘉くんが俺の部屋を1日かけて掃除したいと。それはありがたい話だ。
それより、俺は今スイーツに釣られて映画に来たことをものすごく後悔している。
見に来たホラー映画は洋画のサスペンスホラーなんだが、こんなに怖いと思わなかった。
「ひっ……!」
怖い場面になると、思わず小さく悲鳴を上げた。画面を見ないように顔を背けてたりしているが、音だけでも恐ろしさがすごく伝わる。いちいち体がビクついて本当に心臓に悪い。今、絶対顔色が悪いと思う。
怖さで思わず涙目で比嘉くんの腕を掴んでしまっていたが、比嘉くんの方を気にする余裕もない程だ。そのまま2時間耐えた。
俺、本当にかっこ悪い。
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