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よく見ると店はまだ開いているようで、少し気になった。
「ひ、比嘉くん。俺友達と連絡取らなくちゃいけなくて、外で電話してくるね。ちょっと待ってて」
「え、あ……はい」
連絡なんて嘘だ。少し強引かもしれないがあの店が気になって急いで店を出て、横断歩道を渡った。
気になった店の中に入ると中にはいろいろなキッチン雑貨があり、男でも使えそうなオシャレなものが多かった。一通り店の中を見回ると、紺色のメンズ用エプロンが目に入った。
比嘉くんは部屋ではエプロンは着けていないが、あった方が便利かと思って俺はそれを買った。俺に対する償いとはいえ、いつもお世話になっている分、少しでも恩返しして喜んでもらいたいと思った。
店の紙袋を持って比嘉くんの所に戻ろうとした時、周りが見えていなかったのか人にぶつかってしまった。
「あ、すみません!」
「いってぇ……何すんだよてめぇ」
ぶつかったのは派手めな若い男、3人の内の1人。酒の匂いがした。他の2人は俺を見てニヤニヤしていて、直感的にやばいと思った。
「ほ、本当にすみません!ちょっと急いでたので」
「てめぇちょっと来いよ……」
そのまま腕を引っ張られて、強引に路地裏に連れていかれてしまった。路地裏に追い込まれると3人の男に囲まれ、簡単には逃げられない。
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