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―― こんなことがあってたまるもんですかっ!!
彼は私のものなんだからっ!! ――
雅無陀羅大学に入学してもうすぐ一年になる私は、
ある重大な事実をやっと思い出したの。
そしてすぐに確認したわ…
だけど…
だけどっ!!
彼ってもう結婚していたなんて…
…うふふっ
かなり笑えたわ…
ううん、違うの…
違うのよっ!!
彼は私だけのもの。
きっと彼だって私の気持ちをわかってくれるはずだもんっ!
それに、私には強みがあるの。
安藤麗子、あなたから私の彼を取り戻すのっ!!
… … … … …
仏の教え学部の教室に向かうと、大勢の人でごった返していた。
「今日は試験なんだがな…
…代表者…
野球部キャプテン、発言をどうぞ…」
見知った顔は大勢いるのだが、一番親近感のある皐月にオレは発言を許した。
「聞きたいことが山ほど…
今日が試験なのは知っていました。
ですが、後半三十分はおさらいの時間ですので
その時にお時間があればお聞きしようかと思いまして…」
オレは静かに頷いた。
「早百合君、試験は中止だ。
そして、これから語る話しも試験範囲に含めるので
しっかりと聞いていて欲しい」
「はい、先生っ!」
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