ジョギング

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裕子も先ほどから母親の顔の左側に違和感を感じていた。 「ちょっと麻痺が出てるのかな、 今先生呼んだからね」 確かにこうしてみると悪くなっているように感じる。 どうしよう、 これ以上悪くなったら― 心臓の鼓動が早くなって来た。 医師と看護士が足早に病室に入ってきた。 「高井さんどうです?目が見えにくいですか?」 医師の問診が始まった― その後のことはあまり覚えていない― 裕子は暗くなった道路で車を走らせていた。 医師の言葉だけが頭の中に残っている。 ―また、 梗塞が進んでいる可能性がありますから、 点滴を増やして なるべくこれ以上起こらないように処置して様子をみることになります― (まいったなー、 なんでこんな・・・でもしっかりしなきゃ) ハンドルを持つ手に力を入れた。
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