ジョギング

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施設はとても清潔にされていて好感を持ったが、 そこに暮らす老人たちの姿を見ていると寂しさを感じた。 此処へ自分の父親を置いて 行くことは辛かったが、 今は他に選択肢が無かった。 ―預かってくれるところが見つかっただけでも感謝すべきだし― 「お父さん、 また明日、 様子見に来るからね」と言って、 父親の施設を後にする。 そして、 少し安心した裕子は母親の病院に向かった。 病院の駐車場に車を止めると、 母親の病室に急いだ。 4人部屋の一番奥に行き、 仕切りのカーテンからゆっくりと覗きこんだ。
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