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添付ファイルを開き、
その詩を読み進むと、
それまで束ねられていたものがほどけるように感情が揺れ始めた。
涙が止め処なく溢れる。
声を出して泣きたかったが、
口に手を当てて抑えた。
そして、
涙を隠すように慌ててメガネを掛けて仕事を始めた。
でも、
駄目だった。
喉の奥から嗚咽が漏れ出した。
大声で泣き出した裕子の周りに事務所の同僚たちが慌てて近づき、
輪を作った。
その日、
定時の5時を過ぎると早々に仕事先の事務所を後にして母親の病院に向かった。
ナースセンターで面会の記帳をすると病室へ歩く。
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