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「目のほうも昨日よりよく見えるよ、
顔の麻痺も少し良くなってきたし」
「えー、
良かったね、
じゃあもっとリハビリ続けないとね」
「そうね、
しっかり続けるよ」
今、
裕子が横に立つ母親のベッドの周りは花が咲いたように明るくなった。
そして、
病室から下に見える道路の植え込みに咲く桜も満開になっていた。
4
それから三ヶ月が過ぎる頃、
裕子は堤防の上に立っていた。
サイクリングロードの両脇の植え込みは鮮やかな緑色に変っていた。
冬には命を落としたように枯れた植え込みは、
春になると真っ白な花を咲かせて、
その白さが、
その大きさを膨張させて見せた。
花の時期が終わると、
周りの色に合わせたように緑色に変わった。
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