ジョギング

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それでも裕子が時間が出来たときに会いたいと伝えると会ってくれた。 裕子と両親がこの一年の危機を乗り越えるのに杉田は力になってくれた。 父親の看病で母親の明江が脳梗塞で倒れて入院したときの裕子は途方に暮れたが、 それを知った杉田が介護施設を探してくれたお陰で 父親の幸夫を一時的に施設で預かって貰ったことで、 そのときの危機をしのいだ。 あのとき電話に出た同僚が杉田だった。 その時の裕子は父親と母親を一人で介護するつもりでいたが、 杉田の勧めで父親を施設に預けることにした。 「全部一人でやろうとしたら共倒れになるから」 実際に、 今になって考えると、 その通りだったと裕子は思う。     
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