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目の前に水門が見えてきた。
以前はこの場所でUターンをして引き返すところだ。
それでも今日の裕子は真っ直ぐに走った。
昨日、
裕子は杉田からプロポーズされた。
「はい」と満面の笑みを浮かべて裕子は答えた。
この秋から当面は裕子の実家の近くに家を借りて住もうと言われた。
杉田らしい心遣いのある提案だった。
明日、
両親に打ち明けよう。
私、
秋になったら家を出ますと。
でも、
頼りになる人とすぐ近くに住むけどね―と。
水門を越えても真っ直ぐに走る裕子。
もうあの小母さん居ないかな?
裕子が遠くに目を凝らすと人影が見えた。
あれ?そうかな―
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