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少し日が陰り始めて来たのが分かると裕子はスピードを上げた。
そのスピードを保ったまま水門を通りすぎようとしたときだった。
「あなた!」と声が聞こえた。
その声のほうに自然と顔を向けると、
その水門の影にあの子犬を連れた小母さんがいた。
「あっ!」
裕子は声を上げるのと同時に滑りながら止まった。
「あー、
こんにちは!」息を切らせながら裕子は笑顔になった。
「こんにちは。
久しぶりねー」小母さんも高揚したように返事をくれた。
「お久しぶりです!」
「もうどのくらいあなたを見なかったかしら?」子犬を抱きかかえながら小母さんは裕子に言った。
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