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「円やドルなど、為替の取引業務を行っている会社なんですが、ここの優待のカレーは量が多くて良いですよ!」
と、ニコニコしながら話し出す。
今日も、お得な株主優待情報を持ってきてくれたらしい。
雪乃さんは、ぼくとあまり変わらない年齢なのに株に詳しい。
とくに株主優待については人生を賭けるほどの執着をみせる。
「カレーの優待ですか? 優待でカレーって、めずらしいですね?」
「カレーはよくある優待ですよ」
「そうなんですか。でも為替取引の会社なんですよね? その会社がなんでカレーなんですか? 関係ないじゃ…」と言い終わらないうちに、雪乃さんが食い気味に割って入った。
「いけません!それはいけません!」
「…はあ」
「優待に関しては、人それぞれ思うところがあるかも知れません。しかし深く考えないほうが身のためなんです」
うーん、そうか。株主優待とは、そういうものなのか。
「確かに、カレーをもらえるんなら何でもいいですよね」
「そういうことです。シロセ通商の優待は10000円相当の食品詰め合わせとなっています。それをもらうか、もらわないか。それだけのことです」
「え、10000円ももらえるんですか?」
「そうです。レトルトカレー&チンするごはん、パスタ&パスタソースなどです」
【食品詰め合わせ 年1回】
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