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 ふられた、ね。  完全に。  ランチを食べる気にもなれず、一人公園のベンチで目をつむった。  かなり本気だったけど、いや、めちゃくちゃに本気だったけど、むこうにだって都合があるよね。たしかにあいつは、競争相手が山盛りのルックスだった。  どうもあの手の、濃い目の男前ってのに弱いんだよな、わたし。  でも、ここまで見事な片想いって、高校以来かな?  過ぎていった年月を指折り数えると、あの失恋は、もう片手ではおさまらないほど昔のことだったのだと気づき、にぎった指先がほどけていった。  まぶたにたまった涙がこぼれないよう、あごを上げた。  目の前に広がる空があまりにも水色なので、ついつい探してしまった。  いつも見守ってくれている、母の姿を。
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