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僕が不登校で部屋に閉じこもると、父は静かになった。学校に行けとも食事をとれとも言わなかった。真意はわからないが、もしかすると父も僕と距離を置きたかったのかもしれない。僕が部屋から出ると、食事代であろう千円札が毎日リビングのテーブルに置かれていた。 食事は昼と夜しか取らなかった。朝はずっと寝ていた。正午に起床し昼食を取り、シャワーを浴びた。あとは、夕方までずっと部屋に(こも)り、ネットゲームに没頭した。夕方になると、今日の夕食と明日の昼食を買いに行った。父が帰ってくるのは、十時から十一時くらいで、ごく稀に七時に帰宅した。そのため、僕は父に会わないよう、六時には部屋に籠り、扉を堅く閉じた。後は、夜更けの眠くなるまでひたすらゲームに没頭した。 泥沼に飲み込まれたような毎日だった。 彼女は、そんな毎日の中に、現れた。
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