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私と永田の恋愛小説。それ需要ある? 意味ある? 誰得?
私が混乱と焦りで不安げに永田を見上げる。
「もちろん、創作には協力しますよ。取材を兼ねたデートでも、恋愛部分の実践でも」
永田がニヤリと意地悪く笑った。
「ちょっとそれ……なにそれどういうこと?」
「はぁ……ほんと、察しが悪いですね。頭も悪けりゃ顔も悪いし、先輩って良いところあるんですか?」
「ひどすぎる!」
「おっとぉ。だって、真実じゃないですか?」
怒って詰め寄ると、永田はヒョイと身をかわし、
「……なーんて、嘘。先輩は可愛いよ」
回り込んで、また後ろから顔を寄せて囁く。
予期せぬ可愛いに、思わず顔が赤くなった────が。
「今の、使えます?」
永田のへらへらした声を聞いて、振り返りざま、身体を捻って拳を握り締めると、
「発想がワンパターン!」
ボディに一撃。
憐れ永田はリングに沈んだ。
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