1.はじまりは一生の不覚

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 私と永田の恋愛小説。それ需要ある? 意味ある? 誰得?  私が混乱と焦りで不安げに永田を見上げる。 「もちろん、創作には協力しますよ。取材を兼ねたデートでも、恋愛部分の実践でも」  永田がニヤリと意地悪く笑った。 「ちょっとそれ……なにそれどういうこと?」 「はぁ……ほんと、察しが悪いですね。頭も悪けりゃ顔も悪いし、先輩って良いところあるんですか?」 「ひどすぎる!」 「おっとぉ。だって、真実じゃないですか?」  怒って詰め寄ると、永田はヒョイと身をかわし、 「……なーんて、嘘。先輩は可愛いよ」  回り込んで、また後ろから顔を寄せて囁く。  予期せぬ可愛いに、思わず顔が赤くなった────が。 「今の、使えます?」  永田のへらへらした声を聞いて、振り返りざま、身体を捻って拳を握り締めると、 「発想がワンパターン!」  ボディに一撃。  憐れ永田はリングに沈んだ。
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