2.お出かけしましょう

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「じゃあ、お昼から夜までは僕に下さい。で、スマホ買いに行きましょう」 「ええええー! 海外ドラマ観るつもりなのに」 「……合コンの後に見たらいいじゃないですか。一人寂しく」 「一人寂しいかどうかわかんないでしょー!」  思わずムッとして言い返せば、冷たい視線をいただく。 「そうですね。どうでもいいです」 「自分が言ったくせに……」  理不尽! という叫びを飲み込んで、お弁当の中身を口に詰め込む。  ほうれん草とベーコンのソテー、玉子焼き、キンピラゴボウ…定番メニューは味にブレがなく手軽だ。あ、今度炊き込みご飯にしよう。そうなるとオカズは…… 「あ、それ。一口ください」 「どれ?」 「その、玉子焼き。真ん中のやつがいいです」  三つ並んだ小さめの玉子焼きの、一番大きくて綺麗に焼けたものを指差した。 「あんたって、ずーずーしい」  文句を言いながら玉子焼きを箸でつまんで、あーんと間抜けに開いた永田の口に放り込む。 「……へぇ、甘いタイプか」 「永田様のお口に合いませんでしたか」 「いえ、好きです。僕甘党なんで」  にこにこと笑顔で答える。  意外と素直なとこもあるものだ。 「それはようございました」 「うん、苦しゅうない。じゃ、週末にまた連絡しますね」     
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