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永田で一本も書ける気がしないけど、適当に頷く。
「ねぇ、これ本当にいいの? お金、週明け持って行くよ?」
「会社でお金渡してくれるんですか? 闇取引の噂がたちそうで怖いですね」
「そんなわけないでしょ!」
「はは。でも、女の子の服って安いですよね」
しかもセール品でしたし、と付け足す。
確かに安かった。ブランド品でもないので金額はそれほどでは無い。
とは言え、このまま黙って受け取るのもアレだし、固辞するのもプレゼントなので却って申し訳ない。後日何かお礼を考えておくとしよう。
「なんか、悪いな。でもすごく嬉しい。永田くん、ありがとう」
「…いえいえ」
笑って素直にお礼を言えば、永田は戸惑ったような曖昧な顔をした。
「じゃー、スマホ買いに行きましょう! スマホ!」
が、すぐにカチッとスイッチを切り替え、意気揚々と携帯ショップを目指し歩き出した。
数分歩くとショップへはすぐに辿り着く。
中へ入ると、クーラーが効いていて涼しかった。初夏とはいえ今日はお天気が良く、歩き回った私たちには嬉しい。
「やばい、全然、訳わかんない」
「うん、でしょうね。こういうのはね、わかんないように作ってあるんですよ」
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