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特に先輩みたいなおバカさんにはね、と毒付かれつつ、携帯の契約カウンターでプラン表を見比べながら、長い待ち時間をすごす。
結局、永田が選んだ永田とお揃いの携帯になった。
なんだか不本意にも永田色に染まっていく……。
「わかんなかったら聞いて下さい。機種同じなんで、とりあえずわかるし」
プランなども予算から適当に選んでくれて、自称デキる男、永田任せで事は運ぶ。
しかし、携帯の契約って長い。
大病院の待合室のような。いつまで経っても呼ばれない順番待ちは、診察券出し忘れたんじゃないかという、あの不安に似ている。おうちに帰りたくなる。
痺れを切らしかけた頃にやっと呼ばれ、繋がるか確認したりと一通りのやりとりを言われるがまま行う。
あかん、頭がボーッとしてきた。
「先輩。先輩」
「あ、うん? なに?」
「終わりましたよ。行きましょう、どっかでなんか飲みましょう」
喉乾いたー、と文句を言いながら、肩に手をかけて私を誘導する。
反対の手には、着替える前の服が入った袋や分厚い説明書の入った携帯の袋を持ってくれている。
手慣れてるなぁ……。
元彼が出来なかった、もといしなかったことを平然とやってのける。
そこにシビレたり憧れたりするかは人それぞれとして────
世の中の男の人って、皆こうなの?
私が知らないだけなのかな?
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