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「捨てていいって……今まであまり聞かないようにしていたんですけど、元彼は一体、どんな状況で出て行ったんですか?」
永田が恐る恐るといった感じで尋ねる。
「ええっと……」
言葉を濁すと、仁王立ちだった永田は長くなりそうだと思ったのか、その場に座り込んだ。
しょうがないので私も座り込んで膝を抱える。
「まず、ハリウッドへ行くって言って、3ヶ月くらい行方不明だったの」
「はあっ!?」
素っ頓狂な声が返ってくる。
あ、前提を説明するのを忘れていた。
「えーと、その前にまず、彼は演劇をやっていました」
「あ、はい……」
「夢はハリウッドスターで、小さな劇団で劇団員をやりつつ、毎日頑張っていました」
「……働きもせず?」
「う、うん。でも、ほんとにちゃんと毎日頑張ってたんだよ」
私がフォローすると、永田は冷ややかにこちらを一瞥して、不機嫌そうにふぅんと唸る。
「で、ハリウッドへ行くって言うから、頑張ってねって応援して送り出して、そこから連絡が途絶えて────忙しいのかなって思ってたら、ある日……」
思い出して、言葉が詰まる。
少しだけ顔に熱が上り、目に涙が滲んだ。
スウェットのズボンをぎゅっと握りしめ、言葉を絞り出す。
「実家に帰って、結婚、するって」
「うわ……」
永田が絶句する。
そして彼が言うには、
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