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4.優柔不断の顛末
その飲み会は人生ではじめて、男性とちゃんと絡むことができた。
「今日、新しい携帯を買いにいって、スマホにしたばっかりなんです」
「あ、その携帯、俺のと同じだ」
そんな会話から、一気に話が広がる。
使い方のレクチャーやら、便利な機能やら。番号を交換して、登録まで教えてもらい、そこから仕事や休みの日の話になって────。
ずっと彼氏がいたので合コンに参加したのは初めてだったが、最初にしてはかなり良いのではないだろうか。
それもこれも、携帯を変えたおかげ。
永田、グッジョブ!
恋愛的にどうかはわからないが、充実していた。
少なくとも、友達は出来た。
「あんたたち、家近いよね? 帰り送って貰えば?」
なんて、友人が気を利かせてくれる。
ずっとふたりで話していたから誤解したんだろう。私が結構酔っていたので心配もあったのかもしれない。家が近いなら駅まででもお世話になろうかな。
「えーと、じゃあ……途中までお願いできますか」
素直にお願いすると、彼は笑って頷いた。
優しくて親切で、良い人だ。
「途中までと言わず、家の前まで送るよ。なんか君、危なっかしいから」
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