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独りぼっちのバケモノの話
【独りぼっちのバケモノの話】
永遠などこの世のどこにも存在などしない。
一粒の種子は芽吹き、植物は水や空気、土から取り入れる養分、陽の光を得て根を大きく張り巡らせ、花を咲かせ、やがて遺伝子を後世へ残すべく種子を遺す。
虫は卵から孵り、幼虫は蛹や繭という過程を経て成虫へとなるものもいれば、姿形は親と同じままにその大きさを変化させてゆくものもいる。
けれど最終的には死にゆく前にその種を存続させるために卵を遺す。
これは動物や人も同じだ。
動物もまた種の存続を目的とし本能で子を成し、人もまた子を成す。
永遠などない。
無限のものなど存在せず、世の中は有限で溢れている。
有限だからこそ次を繋ぐ。
そう世界はできている。
植物は虫が花粉を運ばなければ種子は残せない。
植物は風や鳥や動物がいなくては遠くの地へ種を広げられない。
草食動物は植物がいなくては生きては行けず、草食動物がいなければ肉食動物は生きてはいけない。
けれどその全てが酸素、水、温度、太陽光が無ければほぼ成り立たない。
有限の命は子孫を種を残すべく、この世に何かを遺しまた土へと還るのだ。
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