2013人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから5年が経ちもうすぐ俺は高校生になる。
相変わらず周りは醜いアヒルの子だと言われている。
でも、俺も成長している…日常はだんだん変化していく。
……俺を虐める奴らはいるが、昔のようにいちいち気にする事はなかった。
未だに学兄さんにうちの子じゃないと言われている。
……血は繋がってるからあり得ないだろうが、似ていない兄弟なのは本当だから俺もそう思うと軽く受け流している。
もう、昔のように落ち込んだりもしなくなった。
落ち込んだりしても、何か変わるわけじゃないと分かったからだ。
自分を守れるのは自分だけだと、嫌というほど知っている。
「えー、飛鳥同じ高校じゃねーの!?」
よく晴れた青空が眩しい休日、高校受験も終わり…学校もほとんど行かなくていい俺はいつも通りの時間に起きてリビングでのんびり過ごしていた。
ソファーに寄りかかりながら床に座り、大して面白くもないテレビ番組を見て考え事をしていると、ソファーに座って同じくテレビを見る弟の飛鳥くんに向かって、にじり寄るようにソファーの肘掛けに身を乗り出していた学兄さんが大きな声で残念そうに言っていた。
飛鳥くんはそんな学兄さんを横目で見て眉を寄せていた。
飛鳥くんは俺と学兄さんとは違いかっこいい容姿のまま成長していた。
学兄さんは男女共に人気があったが、飛鳥くんは女の子達に人気があった。
クールでかっこいいと言われていて、常に周りに女の子達が集まっていた。
学兄さんとは違う意味で飛鳥くんはクラスの人気者だった。
俺達三人は三つ子だった、それでも生まれた時間により兄や弟と区別される。
俺の後に生まれた飛鳥くんは俺が守らなくては…と思っていた。
俺にそんな力はないのに、兄として弟が守るべき存在なんだと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!