第三話

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玲音は目を泳がせていて言葉に詰まっていた、絶対になにか知っている反応だ。 なんだ?なんなんだこれは…そんなにヤバいものなのか? 一気に謎の不安が襲うが玲音は答えてくれなかった。 玲音は「さっきの姫の力が関係してるのか…」とぶつぶつ呟いていたが今の俺はそれどころではなかった。 なんだ、これ…玲音に触られただけなのにさっきよりも酷く熱っぽい。 風邪のそれとは違い、下半身に熱が全て集中している気がした。 玲音も気付いたのか驚いた声で「…瑞樹?」と静かに口にした。 瞳が潤み、頬を赤らめている俺は玲音の目から見たら興奮しているように見えるのだろう、これじゃあまるで変態だな。 早く病院、行かなきゃ……これは、我慢の域を越えている…手遅れになる前に、早く。 そう思っていたらピリッと静電気のような衝撃が体中を包み込んだ。 「あっ!」 驚いて玲音を見た、そしてさらに目を見開き驚いた。 玲音は何も言わず静かに俺の下着をずらしていた。 さっきの衝撃は布が擦れる刺激だったのだろう。 何をしてるのか、下着まで下ろす必要があるのか分からず玲音の手を掴む。 玲音はさっきの戸惑う声ではなくまっすぐと俺を見つめていた。 今では俺の方がこの状況に戸惑っている、死んだりする病気なのか? 「瑞樹、これは我慢しちゃだめだよ」 「…えっ?なに、が?」 「この紋様は瑞樹の意思を無視して相手を求めてしまうものなんだよ」 「はぁ、はぁ…ひっ」 「大丈夫、俺に任せて」 紋様ってなんだ?これはなんだ?わけが分からない。 頭がパニックを起こして額に触れて熱に抗おうとしていたら、玲音が俺を抱き締めて耳元で「俺に、瑞樹の愛をちょうだい」と妙に男らしい低くよく透き通る声で言われて何だか頭がボーッとして思考が停止する。 ……愛ってなんだ?与えるってなんの事を言っているんだ? 頭の中で何度も何度も玲音の言葉が繰り返される。 俺は生まれてからずっと、愛というものを知らなかった。 愛された事がなく、俺自身も誰かを愛した事がなかった。
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