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※学視点
瑞樹ばかり見る飛鳥にムカついて、振り向かせたくて手紙を奪った。
結果的に飛鳥は俺を見てくれて、やっぱり瑞樹より俺が良いんだなと満足した。
瑞樹に脅されて、瑞樹の方しか見れないなんて可哀想な飛鳥。
絶対に兄ちゃんが飛鳥を助けてやるから待ってろよな!
飛鳥宛だと言われた手紙の宛名を見て驚いた。
……だって、だって、そんなのあり得ない。
宛名には「森高瑞樹様」と書かれていた。
…何故、瑞樹宛の手紙が来るんだ……俺じゃないのか。
震える手で手紙を力いっぱい握りしめるとシワシワになった。
瑞樹は弱虫で昔から何でも諦める癖があり、クロス学院の入試だって「どうせ無理だから…」と諦めたはずだ。
なのに何故か瑞樹宛にクロス学院から封筒がやって来た。
信じられず、逃げるようにしてリビングを飛び出した。
部屋に入り、誰も入れないようにドアに寄りかかり瑞樹宛の封筒を無断で開けた。
……きっと何かの間違いだ、それか三兄弟だし…俺と間違えたのかもしれない。
震える指先で封筒を少し乱暴に開封すると紙が入っていた。
封筒から出てきたのは合格発表の用紙だった。
コンコンと部屋のドアがノックされて、母親の声がした。
「学ちゃん、どうしたの?瑞樹にイジメられたのなら母さんが叱ってきてあげる」
理由を聞かず、全て俺の味方をする母親……俺を正しい道に導いてくれるから大好きだ。
俺が全部瑞樹のせいにしたら、瑞樹を叱って暴力まで振るう。
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