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そこまでされて何故瑞樹はまだ生きているんだ、さっさといなくなればいいのに…
瑞樹は空っぽなんだ、親に何も与えられずに生きてきたから何もない筈なんだ。
なのに瑞樹は、人を惹きつける変なものがある。
弟の飛鳥もそうだし、クラスメイトの男も…瑞樹の変な力に惑わされる。
だからいつも俺は瑞樹から目を覚まさせてあげてるんだ、いかに瑞樹は悪い奴か教えるとすぐに瑞樹から離れていった。
瑞樹は人間じゃない、人を惑わす悪魔なんだと思っている。
……瑞樹に騙されている奴らは馬鹿な奴らだ、瑞樹の本性を何も分かっていない。
あんな奴より俺の方がいいんだと教えてやるんだ。
そのためには母親を利用できるだけ利用している。
…母は俺の裏の顔なんて知らないだろう…知ってても俺のためならと利用する事を了承するだろうけど…
瑞樹を攻撃するなら両親からの方が効果がある。
追い詰めて追い詰めて、俺の世界から追い出してやるんだ。
俺は部屋のドアを開けて母親を部屋に招いた。
母親は絶対に一人で来る、俺がそうしてほしいと何も言わなくても分かるみたいだ……俺の性格は間違いなく、この母親の遺伝だと思う。
…俺がこうなったのは全部母親と瑞樹のせいだ。
俺は悪くない、俺の思い描く世界が一番正しいんだ。
「学ちゃん、どうしたの?」
「母さん、これ…見てよ」
俺はわざとらしく悲しそうな顔をして恐る恐る封筒を渡した。
母親はそれを見て目を見開き、眉を寄せ唇を震わせ怒りを露にした表情をしていた。
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