顛末

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顛末

気付いたら、白い天井だった。 あれよという間にいろんな人が押しかけて、去っていった。 そして半ば追い出されるような形で退院。 それが半年前の話。 「こんなはずじゃ、なかったのになぁ…」 当時の目撃者たちの間では、落下の様子で一時騒がれたらしい。 加速していないような落ち方で、"着地"の直前に、軌道が明らかにブレたと。 だからかどうか、即死レベルの高度から落ちた人間が、 命に別状のない「重症」と報道されたのだと。 結局、オカルト好きの空言として消えていったけど。 落ちたのは、僕一人だったそうだ。
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