1セントコインの記憶。

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「お釣りに紛れ込んでて。アナタのだって噂で聞いたから」 私は適当な嘘をついた。 だって、ラブレターが持ち主の元に帰ればれでいい。 「…ありがとう」 彼女は大事そうに両手でコインを抱きしめる。その瞬間、粒らな瞳から涙が溢れだした。 「……付き合う時に、コレで告白してくれたの。だけど、タカフミが死ぬ前日に喧嘩して。このコインを彼に返したのよ…。そうしたら、どこにいったかわからなくなっちゃって…」 …土居タカフミ。 キミの本当の名前も、1セントコインが彼女へのブレターだったことも、私はやっと知ることができた。 だけど……。
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