絶対的支配者の包囲網

第1章 出会い

「ふぅー」

（ここが9月から通うことになる学校かぁ。
やっぱり初めての場所に1人っていうのは、なかなか緊張しちゃう。
とりあえず校門入って右側の中等部の校舎の2階にある職員室で、担任になる宮野先生っていう人のところに行ったらよかったんだよね。）

なんて確認しながら歩いていると、校舎の隣に体育館があるのが見えた。
何個かある両開きの外側のドアが開いていて、部活をしている音が聞こえてくる。

（そうだよね。残りあと1週間といえど、みんな夏休み中だもんね。
転入の説明するのに登校するの9月に入ってからでもいいって言われたんだけど、僕が先生と先に会っておきたいってお願いしたんだもんね。
だって、先生もクラスメイトも始業式に初めて会うって緊張し過ぎて無理って思っちゃったんだ。
あー、どんな先生かな？電話のかんじだと若そうな男の先生だったんだよね。優しい先生だといいんだけどなぁ。
先生に会ってだけでも緊張するけど、約束の13時まであと少しだから遅れないように行かなくちゃ。）

早速、持参した上履きに履き替えて2階の職員室を目指した。